こんにちは、モスです。
2020年の1月からダイエット目的でジムに通いはじめました。そこで10年以上ぶりにやったベンチプレスにはまり、いつの間にかダイエットからベンチプレスMaxを上げることが目的になった今日この頃です。
始めた当初は、ベンチプレスMaxが90kgそこそこでしたが、約半年で150kgに到達し、8か月目の現在は、156kgというところまで向上することができています。
<追記>2021年7月現在 ベンチプレスのMAXは176㎏までアップしています。この辺のことも近々まとめたいと思っています。
<再追記>ちなみに別の記事でも書いていますが、2024年4月現在、ベンチプレスのMAXはなんと195kgまでアップしました。1年に5kg~10kgというゆっくりとしたペースですが、ケガもすることなく着実に重量アップしているのは何気にすごいような。
本記事の前回更新時の176kgは軽くは無いですが、一応絶対にいつも挙げられる重量にはなっているので、本当に着実ですね。
記事のタイトルにある、ベンチプレスMAX120kgは、ベンチプレスを始めて(再開して)2か月で達成しています。
個人的には、この120kgを2か月という期間は比較的短いほうかなと思っていますが、今回の記事では、ベンチプレス120kgを短期間で挙げることができた秘訣なんかをまとめていきたいと思います。
現在、100Kgを目指している方は、ぜひ、こちらの記事「最短でベンチプレス100kgを挙げるトレーニング方法」も参照ください
私自身の経歴と経験
私自身は、ベンチプレス全くの素人ではありません。高校生から大学までの6年間以上の間、陸上競技選手として競技する傍ら、ウエイトトレーニングとしてベンチプレスを取り入れておりました。
また、高校生の時は、国体代表に選ばれるなど、それなりの成績であったため、恩師の協力等もあり、陸上競技の強豪と認識されている大学の練習に参加させていただき、全日本選手権に出場するような人達から、陸上競技だけでなく、ウエイトを含むトレーニング全般について教えを乞うという貴重な体験もすることができました。
このような経験を得て、高校卒業後19~20歳くらいのときで、体重が68kgで、ベンチプレスが128kg、スナッチが100kg、クリーンが120kgという記録でした。ちなみに、私が教えを乞うてた大学の選手たちは、ベンチプレス130kg程度だとまだまだアップだわー(笑)と言っている人達がわんさかいたので、当時は、さすがにレベルの違いに恐縮していた記憶があります。
大学卒業後、陸上競技を引退してから、2020年1月にウエイトトレーニングを再開するまで実に10年以上の歳月が経っていますが、現役時代に学び実践したことが、今回紹介するトレーニング方法の原点になっています。
ベンチプレス120kgを挙げるまでのトレーニング期間
ベンチプレス120kgを挙げるまでにどれくらいのトレーニング期間が一般的にかかっているのか、体験談をまとめている方々の記事を引用し、まとめてみました。
トレ前 ベンチプレス重量 | トレ後 ベンチプレス重量 | 期間 |
75kg | 120kg | 14か月 |
65kg | 120kg | 20か月 |
80kg | 120kg | 9か月 |
102kg | 120kg | 5か月 |
100kg | 120kg | 4か月 |
上の表から見ると、ウエイトトレーニングを素人の状態から始めてからおおよそ1~2年、ある程度ウエイトトレーニングを継続してベンチプレス100kgに到達してからは4か月から半年弱程度で到達している方々が多いみたいです。
持てる重量が上がるスピードは大きく個人に依存するので、早く挙げれたから良い、遅いので悪いというものではないと思います。あくまで、参考程度に留めておくのが良いでしょう。
ベンチプレス120kgを挙げるために必要なこと
ベンチプレス120kgを目指す人としては、以下のような方々をイメージしています。
・ ウエイトトレーニング経験が半年以上ある
・ 現在ベンチプレスが80kg以上だ
さすがにいきなりベンチプレス100kg以上挙がるような特異的な人はかなりの少数派だとは思いますが、昨日の今日始めた方は、まずは100kgを目指すだろうということで、ある程度、ベンチプレス等々のウエイトの経験積んできて、これからさらに上の重量を目指したいという方々を想定しています。
ベンチプレス120kgを挙げるために、超重要なことは以下の4つです。
(1)練習ノートを取る
(2)筋肥大トレーニングをメインにストレングストレーニングを組み合わせる
(3)プロテインサプリメントを積極的に活用する
(4)週2回以上、3回以下のベンチプレスを実施する
意外と当たり前のことかと感じられた人も多いのではないかと思いますが、個人的には、特に(1)と(2)ができていない方が多いのではないかと思います。あとは、細かい点で言うと、(4)で、なぜ週2回以上、3回以下のウエイトトレーニングと書かず、ベンチプレスと書いたのかもポイントです。
それでは1つずつ順番に見ていきたいと思います。
(1)練習ノートを取る
なぜ1番目にこれを置いたのかというと、私は、ベンチプレスの重量を向上するうえで一番重要な要素だと思っているからです。
一方できちんと練習ノートを取っている人も少ないという認識です。
書くことは多くなくていいです。
トレーニング日、種目、重量、回数があれば、十分です。私の場合は、それに加えて、摂取したサプリメント、体重なんかを記載しています。
またワンポイントとして、下記のことを練習ノートに取り入れることをお勧めします。
・ Maxを更新した場合、その部分に○
・ 前回とタイ記録の場合、その部分に_を引く
理由としては、下記でも述べていますが、自分の調子が可視化しやすくなり、○や_が、長く出なくなったら、トレーニング方法を変えるなどの目安にできるからです。
トレーニングノートの目的は、当然記録を取ることですが、
①記録を取ることで、常に前回トレーニングの記録を超えることを意識してトレできる
②自分の調子の良し悪しが感覚ではなく、データとして可視化できる
③上記の結果として、オーバーワークやケガを防止できる
など、重要な役割がたくさんあります。
前回やったMax重量くらいは覚えているという方も当然いると思いますが、トントン拍子に記録が伸びているときはいいですが、実際には、記録は上がったり下がったりを繰り返します。その時にきちんと自分の調子の傾向や重量の推移を記録しておかないと、必要以上の重量を持ってしまいケガにつながったり、逆に必要な負荷を筋肉に与えられずトレーニング効果が半減したりと、マイナスの側面が大きいです。
ということで、ベンチプレスMax重量を上げたければ、練習ノートをしっかりとることを意識しましょう
(2)筋肥大トレーニングをメインにストレングストレーニングを組み合わせる
予備知識
筋力トレーニングは扱う重量によって、おおよそ下記のような分類がされています。様々な文献で紹介されているので、詳細はそれらを参照ください。
個人的には、下記のサイトの図が非常にわかりやすくて好きです。
Strength or Hypertrophy Training – which one should you do?
ざっくりまとめると、以下のようになります。
種類 | 目的 | 負荷強度 1RM | 最大反復回数 |
神経系トレーニング | 神経系の適用 | 100-92.5% | 1-3 reps |
ストレングストレーニング | 最大筋力の増加 | 90-82.5% | 4-7 reps |
筋肥大トレーニング | 筋肥大 | 80-70% | 8-12 reps |
筋持久力 | 筋持久力 | 67.5-50% | 13-20 reps |
筋肥大トレーニングとストレングストレーニングを組み合わせるその心は、最大筋力と筋肥大のいいとこどりです。
もう少し、それぞれのトレーニングの意味を詳細に述べると、
ストレングストレーニング
最大で4~7回挙上できる重量(特に4回以下)でのトレーニングで、高重量への適用(神経適応)と筋繊維の動員率を上げることによって、1筋繊維あたりの最大筋力が増加できます。
個人的には、1回狙いの超高重量(1RM 100%)ではなく、4回狙いの2回~3回できる重量(1RM 95~92.5%)で実施することをおすすめします。理由は、1回狙いの重量は、余裕度が無いため、無理に挙げようとしてフォームが崩れがちなためです。結果として、ケガをするリスクも格段に高いです。一方で、少なくとも2回~3回できる回数ならば、フォームもそれなりに安定しますし、ストレングストレーニングでありながら、神経系へも刺激を与えることができます。
筋肥大トレーニング
最大で8~12回挙上できる重量でのトレーニングで、筋肥大=筋断面積を増加させることができます。
こちらは、個人的には、10~12回できる重量(1RM 75~70%)を選択して、8回狙いで実施することをおすすめします。はじめから8回できる重量を選択すると、セットを重ねるとどうしても、回数が落ちますので、筋肥大トレーニングの回数から外れてしまう可能性が高いです。
すなわち
ストレングストレーニングで、高重量への慣れや最大筋力の向上をさせるとともに、筋肥大トレーニングで、筋肉の量そのものを増加させて、筋肉の質と量の両輪でベンチプレスMaxを上げようという考えです。
実際のセットの組み方
ストレングストレーニング→筋肥大トレーニングの順番がお勧めです。
理由は、ストレングストレーニングで、Max測定も兼ねることができるからです。
例として、現在、ベンチプレスのMax重量が1RM換算で105kg(95kg×4回)で、次は、100kg×4回(1RM換算で110kg)を目指す状況を想定します。
セットの組み方の例を下記にまとめました。
①アップ
20kg×5回~10回 ※フォームチェック
60kg×5回
80kg×1回
↓
②ストレングストレーニング
100kg×できる回数×2セット(4回目標。初挑戦ならおそらく2~3回)
↓
③筋肥大トレーニング
80kg×8回目標×3セット(できる回数が4回以下なら、5kg下げる)
※ 10回できる重量(1RM75%)を選択→105kg×0.75≒80kg
重要なポイントは2つあって、
1つ目が、②で、もし4回挙げることができたら、次のトレ日では、5kg重量を上げてストレングストレーニングを実施することです。少しづつ挙上する重量を増やすルーチンを作ることが、ベンチプレスのMax重量を向上する鍵となります。
2つ目が、③で3セット以上実施することです。筋トレの効果は、つぶれるまで実施したかどうかというよりは、トータルで挙げた総重量(セット重量×回数×セット数)が重要だからです。それを示す研究結果も数多く報告されています。詳しくは、下記記事に、まとめられていますので、ぜひ参照ください。
(3)プロテインサプリメントを積極的に活用する
1日3回の食事をしっかりとることが基本です。ただし、筋トレをする時間やタイミングによっては、プロテインサプリメント(またはアミノ酸サプリメント)を活用したほうが良い場合もあります。
基本的な考え方は、
プロテインの場合
トレーニング前後どちらかに摂取する
筋トレを開始する時間3時間以上前に、食事をした場合は、トレーニング前に摂取
食事直後とか1、2時間以内に筋トレをする場合は、トレーニング後摂取
アミノ酸(EAA、BCAA等)の場合
トレーニング中に摂取する
のが良いかと思います。
ちなみに、私は、プロテインはどちらかというと補食の意味合いで、お昼3時ごろに摂取することが多いです。筋トレでは、アミノ酸サプリメントを活用することが多く、筋トレ中に、EAA(12~15g)、グルタミン(5~8g)、マルチデキストリン(糖質 20~30g)を500mLの水に溶かした自作ドリンクを飲んでいます。
摂取するプロテインの量をもっと、細かく見たい人はぜひ下記の記事も見てください。数多くの検証論文の結果をもとにまとめたので、目からウロコの内容が盛りだくさんです。
(4)週2回以上、3回以下のベンチプレスを実施する
(1)から(3)までしっかりできたら、後は、これを継続するのみです。
基本的な考え方としては、超回復を誘導したいということで、トレーニングとトレーニングの間を48時間から72時間(中1日~2日)あけます。
個人的なお勧めとしては、中2日でベンチプレスを実施してみて、筋肉痛や疲労の残りを見ながら、中3日にしたり、場合によっては、中1日にしてみたりと臨機応変に変更するのが良いと思います。
私の場合は、基本は中1日で、月、水、金がベンチプレスをする日としています。ただし、月曜日にかなり高強度でのトレーニングをするため、水曜日は比較的軽め、そして、金曜日は高強度でというようにセットを組み、疲労が残らないように注意しています。筋肉痛が残る場合は、思い切って、水曜日をオフにしたり、筋トレはしますがベンチプレスはやらなかったり、臨機応変に対応します。
超回復の期間は、実際には、中1日、2日でOKというような簡単なものではなく、下記の論文で詳しく書かれていますが、トレーニングの種類、強度、トレーニング後のケア、栄養、水分、睡眠等の複数の要因によって変わってきます。よって、繰り返しになりますが、自分自身の筋肉痛や疲労の状態を見て、臨機応変に対応することが重要です。
超回復について参考になる論文
Recovery after exercise: what is the current state of play?
Current Opinion in Physiology, Volume 10, August 2019, Pages 17-26
ちなみに逆に、筋トレを1週間毎にしかやらないになると、全くの素人の状態であれば、それなりに重量が挙がる(たとえば、MAX60kg→MAX90kg)と思いますが、100kgから120kgに挙げるとなると、かなり厳しいと思います。
まとめると
ベンチプレスの頻度は、多すぎても、少なすぎてもダメ。中1日~2日を基本に、週2~週3回のベンチプレスデーを設定しよう
追記: 逆におすすめしないこと
ベンチプレスのMAXを上げるという目的の中で、逆におすすめしないことをいくつか紹介します。
(1)とにかくいろんな補助種目を取り入れること
補助種目を取り入れることは非常に重要だと私自身感じています。でも補助種目はあくまで、メインとなるベンチプレスで刺激をきちんと入れられていない筋肉を対象に、目的とその種目を絞っておこなうべきだと私は考えます。
ベンチプレスを3セット後、連続して
ダンベルプレス、インクラインベンチプレス、足上げベンチプレス、スカルクラッシャーを3セットずつ行う
その人の習熟度や、セットボリュームによって本当におすすめしないのかは非常に難しいのですが、ベンチプレスを始めて半年や1年くらいを想定すると、オーバーワークか、逆に(疲労で見かけ上の※)負荷が軽すぎて、ストレングストレーニングにも筋肥大トレーニングにもなっていない可能性があります。
特に、疲労しているのに、必死に、バーベルやダンベルをこねくり回してあげたり、可動域が極端に小さくなったりしている方を時々見ますが、ケガの原因になりますのでやめたほうがいいです。
ベンチプレスを、ストレングス、筋肥大で計5セット行った後、足トレ1hr行い、その後、インクラインベンチプレスを3セット行う
例えばの例で、ベンチプレスで大胸筋と上腕三頭筋を使った後は、一旦小休止を入れて、回復してから、大胸筋上部に刺激を入れるためにインクラインベンチプレスを実施するなど、少し工夫を取り入れることをおすすめします。
ちなみに私は、ベンチプレスの補助トレは、荷重ディップスしかやりません。それでも今のところ、少なくともベンチプレス156kgまでは順調に伸びています。
重量が伸び悩んだり、マンネリ化してきたときに、新しい刺激として補助トレを導入するのが、うまいやり方ではないかと思います。
ベンチプレスを上げたいのであれば、やっぱりベンチプレスをメインに、トレーニングを組み、しっかりと大胸筋に刺激をいれることに注力する
(2)自分の実力以上の高重量を持つ
これは高重量に挑戦するなと言っているわけではないです。上でも述べてますが、ときどき、フォーム関係なく、とにかく重い重量を持って、肩とか腕とか、おしりとかがぐちゃぐちゃになりながら挙げている人を見かけますが、そういうのはやめたほうがいいということです。
肩や腕に変な負荷がかかってケガをするリスクが格段に上がります。
私自身が、ストレングストレーニングで4回狙いでトレーニングするのも、フォームをくずさないようにするためです。初級者、中級者(ウエイト3年未満くらい?)の人は、1RM 95%重量以上でのトレーニングを、日常的に取り入れることはできる限り避けたほうが良いのではないかと思います。
実力以上の高重量を持つことは、トレーニングの成果以上に、ケガをするリスクが大きい。自分のフォームが崩れない重量でしっかりとトレーニングをしよう
最後まで、記事を見ていただきありがとうございました。もし不明点、疑問点等あれば、遠慮なく、メールやTwitterなどからコメントいただければと思います。
現在、私のベンチプレスMAXは156kgです。120kg→140kgに向上させるにあたっては、また追加の要素が入っています。その点については、また別の記事でまとめていきたいと考えています。