筋トレ

フォームローラーを活用してトレーニング後の筋肉痛を低減!! 筋肉痛の低減効果と使い方のまとめ

こんにちは、モスです。

今回のテーマは、筋肉痛です。

筋トレにも慣れてきて、重量とセットボリュームを上げていくと、必ずこの問題にぶちあたります。筋肉痛が残っていると、なかなか次のトレーニングのときに、重量やセットボリュームを上げていくことができません。

いかに筋肉痛を軽減するか、いかに筋肉痛を早く回復するかは、トレーニングをする上で非常に重要な課題だと思います。

私は胸のトレーニングとして、主にベンチプレスと荷重ディップスを取り入れていますが、7月頃から、メインセットのセットボリュームが1.5倍程度(計20repsから30reps)に増加しました。そのおかげもあってか、ベンチプレスのMaxは順調に伸びているのですが、一方で、筋肉痛や筋肉のハリの回復が遅くなったことを実感しています。

そのようななかで、いろいろと調べて、実践していったなかで特に効果が感じられた

フォームローラーを活用した筋肉痛の軽減

について、紹介していきたいと思います。

そして、いつもの通り、私の経験だけではなく、学術研究の結果を引用してエビデンスベースでその効果について、まとめていきます。

 

フォームローラーって何?

そもそもフォームローラーって何?って人も意外と多いのではないかと思います。私も、つい最近まで、名前を知りませんでした。でも、ジムとか行っている人なら必ず見たことあるはずです。

Foam Roller
KOOLSEN フォームローラー@アマゾン(私はこれ使ってます!!)

これです。ストレッチポールじゃん!と思ったあなた。私もこれのことをストレッチポールと呼んでいました。実は、ある意味正しいんです。ストレッチポールは、株式会社LPNが製造・販売するフォームローラーの一種でUSで使用されていたフォームローラーを元に開発されたそうです。

すなわちフォームローラーは、こういった円柱型の形状持った器具の一般名称で、ストレッチポールは製品名ということですね。

いずれにしても、フォームローラーは、たいていのスポーツクラブやジムにも置いてある通り、フィットネスの世界では非常に一般的に使われていて、

・筋肉痛を低減する

・関節可動域を広げる

・トレーニング後の回復を早くする

等の素晴らしい効果があるとのことです。もともと、ストレッチポールという名前から、ストレッチするために使うものかなと思っていましたが、こういった効果があることに驚きました。

前までは、この円柱状の形を活用して、ベンチプレスするときのブリッジを高くするための補助ツールとしてしか使ってませんでした・・・。反省。

もちろん、そういう目的で使っても全然いいというか、関節可動域を広げるという意味で、正しい使い方の1つとは思いますけどね!

それは、さておき、フォームローラーが筋肉痛にも効くということを知ってからは、積極的に、フォームローラーを活用するようにしています。

 

フォームローラーの効果

フォームローラーは、たいていのスポーツクラブやジムに置いてあります。でも少し不思議ですよね。ちょっとしたストレッチの道具であれば、こんなにも普及しているものなのかなって。

実は、調べてみるとフォームローラーは、かなり学術的にも研究が進んでいて、特に筋肉痛の低減や回復について、数多くの報告がされていることがわかりました。つまり、エビデンスベースでも、フォームローラ―の効果が認められているため、これだけ普及しているのかもしれませんね。

ただ、そうなると単純なストレッチの道具としてしか見ないのはもったいないということで、学術研究の結果を見て、フォームローラーの効果について見ていきたいと思います。

筋肉痛をより早く軽減

まず紹介する論文がこちら。

Foam Rolling as a Recovery Tool after an Intense Bout of Physical Activity
意訳:高強度トレーニング後の回復におけるフォームローラーの効果
Medicine and Science in Sports and Exercise, 46, 131-142

3年以上のトレーニング経験を持つ20人の男性が対象とした研究です。研究の概要を下記に列挙します。

・被験者は、10人がフォームローラ―を使う群(FR群)、10人が使わない群(CON群)に分かれる

・被験者達は、1RM60%(16-20repsできる重量)でスクワットを10reps×10セットを実施して、筋肉にダメージを与える

・直後、24時間後、48時間後、72時間後の筋肉痛、垂直飛び、関節の可動域、随意最大収縮(MVC:間が意識的・自発的に発揮する最大の力)等を測定する

・FR群は、ふとももからおしりにかけての部位を、フォームローラーを使って5種類のエクササイズ(1種目60秒2セット)を実施する

ということで、要は激しい筋トレ後に、当然、筋肉痛やそれに伴うパフォーマンスの低下が起きますが、フォームローラーによって、どれくらい差が生まれるかを検証しています。

結果を見ていくと、一言でいうと、フォームローラーの効果すごいです。

下記は、論文から引用したグラフで、筋トレ直後、24、48、72時間後の筋肉痛の変化をプロットしたものです。フォームローラー無しが▲印、有りが○印です。グラフの上に行くほど、筋肉痛が激しい(10:これまでに経験したことのない痛み、0:痛み無し)という意味です。

20200829_muscle_soreness_reduction

Medicine and Science in Sports and Exercise, 46, 131-142のFig3を引用

結果は見て明らかです。筋トレ直後は、当然筋肉痛はありませんが、24時間後にぐっと上昇します。この時点でFR群のほうが、筋肉痛の程度は低いですが、特筆すべきは、このあとで、CON群は、48時間でも筋肉痛は同等か少し悪化しているのに対し、FR群は、48時間で早くも回復に転じ、少し筋肉痛残っているけど、まあちょっと張っているかなあくらい(?)になっています。結果的にはフォームローラーを使うか使わないかで3ポイントもの差になっています。

また、詳細は述べませんが、フォームローラーを使うことによる関節可動域の向上、また垂直飛びの記録の回復がより顕著など、運動パフォーマンスにもポジティブな結果が得られています。

運動パフォーマンス低下からの回復も促進

またフォームローラーは、筋肉痛の軽減効果だけではなく、筋トレによって伴う運動パフォーマンスの低下からの回復を促進することが報告されています。

こちらの論文は、フォームローラーが運動パフォーマンスの回復に与える効果について検証している素晴らしい内容のものです。

Foam Rolling for Delayed-Onset Muscle Soreness and Recovery of Dynamic Performance Measures
意訳:筋肉痛と運動パフォーマンスの回復に対するフォームローラーの効果
J Athl Train. 2015 Jan; 50(1): 5–13.

詳細は割愛しますが、こちらも最初の論文と同様の検証を行っています。

早速、結果を見ていきます。

下記に、論文のグラフを引用しています。少し分かりにくいかもですが、筋トレ後、24、48、72時間後の、筋肉痛の程度などそれぞれの項目についてのフォームローラーの効果を効果量で示しています。

20200829_effect_size3
J Athl Train. 2015 Jan; 50(1): 5–13. Figure 4を引用

効果量について

その名前のとおり、検証したい因子の効果の大きさを示した指標です。結果の数値を標準化することで、筋肉痛に対する効果や、30mスプリントに対する効果など、異なった因子の効果の大小を比較することができます。一方で、実際の数字が見えなくなるので、一般の人にはわかりにくく感じますよね。

平たくいうと、ここでの効果量は、以下の様な感じで読み取っていただければ十分です。

効果量0.20.50.8

結果を読み取りながら、まとめると

・ フォームローラーによって、筋トレに伴って発生する筋肉痛が優位に減少する(特に48、72時間後が顕著)

・ 筋トレによって伴う運動機能の低下からの回復も有意に促進する。特に30mダッシュのようなスプリント競技、立幅跳びのようなパワー競技に対する効果が大きい

フォームローラ―を使うことによって、筋肉痛の低減だけでなく、それに伴う一時的な運動パフォーマンスの低下からの回復も促進してくれるという効果は非常にありがたいですね。

回復が早ければ、それだけ、トレーニングの密度を高めることができるので、特に高い負荷の筋力トレーニングをしている方々にとっては、ぜひとも取り入れたい種目です。

 

フォームローラーの使い方

おすすめの使い方

使い方は、非常に簡単です。刺激を与えたい場所にあてて、体重をかけてゆっくりと転がすだけです。ただし、あまり体重をかけて痛くなるよりは、少し優しめのほうがよいです。

もう少し詳細な使い方

1.筋肉痛または、筋肉痛になりそうな筋肉の部位にフォームローラーをあてる

2.ゆっくりと体をスライドさせ、その部位がフォームローラの上を行ったり来たりさせる

3.場合によっては、筋肉痛の部位でフォームローラーをストップさせ30秒くらい保持してもよい

4.全体として20分程度おこなえば十分

※タイミングは、筋トレ直後、ならびに24時間毎に実施するのがお勧め

実際に動画を見たほうが、理解が進むと思いますので、動画で使い方がわかるお勧めのサイトを2つ下記に載せました。英語のサイトですが、基本的なフォームローラ―の使い方の型が動画で簡単にまとまっていますので、ぜひ参照ください。

1.Foam Roller Exercises
8つのフォームローラーを使った基本的なエクササイズを紹介しています

2.How to Use a Foam Roller to Warm Up and Cool Down
ウォームアップとクールダウンで実施する基本的なエクササイズを3つづつ紹介しています

参考:モスの場合

私の場合も、上記の通り、ベンチプレスやスクワットなどのトレーニングが終わった後に、フォームローラーを必ず使います。また、高負荷の筋トレを実施した次の日にも、実施するようにしています(そういう意味で言うと中1日のトレーニングなので、フォームローラーはほぼ毎日使っています)

種目としてはアッパーバックエクササイズ(腰から肩にかけてころころするやつ)とラッツエクササイズ(体を横にして広背筋あたりをころころするやつ)をよくやってます(両方とも上記1に詳しく紹介されています)。時間としては、1種目2、3分程度ですが、筋トレで張った筋肉が伸ばされるので、非常に爽快感があります。

ちなみに、フォームローラー自体は、安価なものであれば、1000円代から購入することができます。

上でも紹介していますが、私が使っているフォームローラーも、1700円程度でアマゾンで手に入れました。アマゾンのフォームローラーのベストセラー1位の製品ということで購入しましたが、この値段で必要十分な機能を持っているのでとってもおススメです。

一応、リンクを上に張りましたので、気になればどうぞ参照ください。

最後まで、本記事を読んでいただきありがとうございました。もし、不明点や、疑問点等ありましたら、遠慮なく、お問い合わせや、ツイッターのDM等でお知らせいただければと思います。