こんにちは、モスです。
過去の記事で、
なぜ太るか、どうやったら、やせられるか?
の疑問に対して、
大事なのは、ダイエット方法とかじゃなくて、
消費カロリー > 摂取カロリー
この式が絶対式ですよという紹介をしました。
上の式のように、消費するカロリーよりも摂取カロリーが少なければ、太るし
逆であれば、痩せます。
1980年代の日本の肥満率は、年代にもよりますが、おおよそ10~20%でした。それが、2010年代になると、15~35%にも達する勢いです。
おもしろいことに、実は摂取カロリーは、この間、変わっていません。
消費カロリーがむしろ下がっています。
詳しくは、下記サイトに載っていますので、参照下さい
摂取カロリーと肥満率の推移を男女年代別に調べてみた
今回の記事は、この部分に焦点を当ててお話します。
消費カロリーが下がった理由を、見てみると、そこに、太らない体を手に入れる秘密が隠れていました。それが、これから紹介する、ニート(NEAT:Non exercise activity thermogenesis)=非運動性熱産生です。
少し、言葉が、難しいですが、要は、ランニングとか、筋トレとか能動的な運動ではなく、日常の生活の中でおこなっている活動によるカロリー消費のことです。
本記事でいいたいことは1つ
ニートを制する者は、ダイエットを制す
→ 日常の何気ない行動を見直して、太らない最強の身体を手に入れよう
です。
1.20年前比べて、何の消費カロリーが減ったのか?
我々の1日のエネルギー消費量を、まず、詳しく見ていきます。
30代男性 2650 kcal(厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」)
項目 | カロリー | 割合 |
基礎代謝量 | 1590 kcal | 60 % |
食事による熱産生 | 265 – 398 kcal | 10 – 15 % |
身体活動による熱産生① 運動 身体活動による熱産生② 日常生活(ニート) | 398 ‐ 796 kcal | 15 ‐ 30 % |
このようにみると、基礎代謝量は、全体から見ると大きいものの、実は、運動や、日常生活で消費するカロリーは想像している以上に大きいです。
ここでの日常生活とは、
1.横になる
2.立つ
3.歩く
4.階段を上る
5.掃除する
6.料理する
7.歌う
8.洗濯する
9.ガーデニングする などなど
普段の生活のなかで、やっている体の動きのことを言います。
そして、20年前から比べて圧倒的に少なくなっているのが、この日常生活=ニートです。
その理由は、技術革新による生活様式の大幅な変化です。
自動車により、これまで歩いていたものが歩かなくなり、
洗濯機により、手洗いしていたものが自動になり、
ショッピングモールでは、エスカレーターやエレベーターが当たり前になり、
これまで、自分の手足を動かしてしなければ、ならなかったことが、全部、機械がしてくれるようになりました。
肥満者を対象とした研究結果(Science. 2005 Jan 28;307(5709):584-586)によると、この日常生活によるカロリー消費(ニート)を意識した生活様式に変化することにより、350 kcal/日ものカロリー消費量の差になることが示されています。
この数値は、たかだか、ご飯1.5杯程度のものですが、1か月では、約10,000 kcalとなり、脂肪に換算すると、約1.4kgにも相当します
車、便利家電の出現などにより、生活に必要な作業量が減り、結果として、日常生活の消費カロリー(ニート:NEAT)が200~400kcal程度も減少した
結果として、太りやすいかつ痩せにくい生活様式を生み出した
2.日常生活の種類によるカロリー消費の違いは?
日常生活によるカロリー消費(ニート)は、実際にどれくらいか、見ていきたいと思います。
当然ながら、カロリー消費量は、歩くや階段を上るなど、活動の種類によって違うので、それを表現するために、
METs(メッツ Metabolic Equivalents):運動強度を表現する単位で、安静時の酸素消費量(3.5 mL/kg/min)を基準、すなわち1Metsとする単位です。
例えば、2Metsだったら、安静時(座っているとき)の2倍のカロリー消費量と思っていただいてかまいません。
そして、実際のカロリー消費量は、体重によって変わるので、下記の式で表されます。
カロリー消費量(kcal)=METs × 体重(kg) × 時間(h) × 1.05
下記に、活動の違いによるMETsをまとめました。
活動 | METsの推測値 | 1時間当たりの消費カロリー 体重70kg |
ゆっくり歩く(4 km/hr) | 3 | 221 |
通勤で歩く(5 km/hr) | 4 | 294 |
階段を上り下りする | 3.5 | 257 |
買い物をする | 2.3 | 169 |
子供と一緒に外で遊ぶ | 3.5 ‐ 5.8 | 338 |
掃除する | 2.5 ‐ 3.8 | 265 |
料理する | 3.5 | 257 |
お皿を洗う | 3.3 | 243 |
アイロンをかける | 1.8 | 132 |
お風呂を洗う | 2.3 | 169 |
庭を掃除する | 4 | 294 |
子供の世話をする | 2.0 ‐ 3.0 | 184 |
楽器を演奏する | 2 | 147 |
軽いストレッチ | 2.5 | 184 |
柔軟体操 | 3.5 | 257 |
自転車に乗る 16.1km/時未満 | 4 | 294 |
出典:The validity of the non-exercise activity thermogenesis questionnaire evaluated by objectively measured daily physical activity by the triaxial accelerometer, BMC Sports Sci Med Rehabil. 2014; 6 ‐ 27
出典②:国立健康・栄養研究所のHPにも詳しく情報が載っています。
こうやって見てみると、買い物をするとか、料理するとかも、ただ座っているだけのときより、2~3倍もカロリーを消費するということです。
買い物1時間すると、約170 kcal消費(体重70kgの場合)します。これまでめんどくさいって思っていたことが、実はダイエットにつながる有効な手段って思えると、逆にお得に感じますよね。
買い物する、料理する、何かしているだけで、ただ座っているときの数倍のカロリーを消費する。ちょっとした隙間時間の、ちょっとした工夫が大きな違いになる
3.モスさんがおすすめするニート活用のすすめ
先に紹介した、買い物をしたり、料理したり、何か日常の行動をしているだけで、ただ座っているときの何倍ものカロリーを消費すると、理解するだけで、正直、全然、普段の生活に対する考え方が変わってくるのではないかと思います。
そこをヒントにすると、やっぱり、日常生活の中に、このニートの考え方を、さりげなく取り入れるのがいいのかなと思います。
ただ、エスカレータの代わりに階段を使うとかなどは、1日の頻度も多くなく、カロリー消費量としては、たかが知れてますし、また洗濯機を使わずに、手で洗うなどは、さすがに、非効率すぎて、ストレスも溜まってしまうと思います。
なので、生活の中で、頻度が高いものを工夫したり、逆に、取り入れることで、楽しみにもなるようなものをピックアップしています。
①通勤で歩く、機会を作る
毎日必ずしなければならないこと。それはほとんどの方が通勤かと思います。人によって状況が違うので、一概には言えないですが、
・1駅遠いバス停まで歩いて、通勤する。
・自転車で駅まで、5分かけて行っていたのを、15分かけて歩く(自転車と徒歩のメッツ数は一緒なので、15分かけて行くと、消費カロリーは3倍)
・車で職場まで行っていたのを、自転車またはバスや、電車を使って行く(車でないだけで、歩く頻度が増えますので、おのずと消費カロリーは増えます)
また、副次的な効果として、普段、車やバスで通っていたところを歩いてみると、歩くことでしか見つからないお店を見つけたりと思いがけない出会いもあり、おすすめです。
②寄り道をする
寄り道をすることって、なんか、あまりいいことのイメージがないですが、カロリー消費という観点で言うと、とても効果的です。仕事帰り、直帰していたのを、あえて、
・本屋さんをぶらついてみる。
・駅中の雑貨屋さんをぶらついてみる。
・薬局などで新商品をチェックする。
・公園を散歩してみる
なんでもいいと思いますが、寄り道するだけで、座っているときの数倍のカロリーを消費していると考えると、お得だと思います。自分は、会社からバスで、家の近くのバス停まで直行できるのですが、結構な頻度で、その間にある駅に降りて、駅に直結したショッピングモールに行って、用事もないのにぶらついてます。そこには、趣味のキャンプ用品店もあるので、そこで、衝動買いをしてしまうこともあるので、やりすぎ注意ですが・・・。
③お散歩する
個人的には、やっぱり、お散歩するのが、非常におすすめです。
特に、夜ごはん食べた後のお散歩は、おすすめです。
理由は
① 食後、血糖値の上昇を抑える=脂肪合成を抑える
② 食後のお散歩は、気持ちよい。ストレス解消になる
③ 夜の摂取したカロリーの調整になる
詳しくは、説明しませんが、とにかくいいことづくめです。
何も夜にジョギングする必要はまったくありません。特に、ダイエットをしている人にとって、走るのはツラいですし、ツラいと思ったら、たいてい長続きしません。
歩くので十分です。30分でも歩きましょう。夜の散歩は、気持ちいいですよ。
30分歩いたら、100 kcalは消費できます。たかが100 kcal、されど100 kcalです。何度も繰り返し言っていますが、ちりも積もればです。1か月積もれば、3000kcalです。脂肪で、約0.4kgです。
これ、全然少なくないと思います。毎月、500mLペットボトル1本分の脂肪が、消えていると想像してみてください。
4.まとめ
今回、コツコツ生活で太らない最強の身体を手に入れるという、題目で、その鍵を握るのが、「日常の生活の中でおこなっている活動によるカロリー消費=ニート:NEAT」と紹介しました。
まず、
車、便利家電の出現などにより、生活に必要な作業量が減り、結果として、日常生活の消費カロリー(ニート:NEAT)が200~400kcal程度も減少した
結果として、太りやすいかつ痩せにくい生活様式を生み出した
でも、実は、
買い物する、料理する、何かしているだけで、ただ座っているときの数倍のカロリーを消費する。ちょっとした隙間時間の、ちょっとした工夫が大きな違いになる
ということで、
私がおすすめする3つの行動として
①通勤で歩く、機会を作る
②寄り道をする
③お散歩する
を紹介させていただきました。聞いてしまえば、なんてことないことですが、1日、1日のほんの少しの工夫のコツコツ生活が、結果的に、太りにくい身体を作る、最強の方法だと信じています。