こんにちは、モスです。
今回は、前の記事
に引き続き、筋トレ効果を高めるトレーニング方法についての記事です。
前の記事は、筋トレ効果を語るうえで最も重要な「セットボリューム」についてでしたが、今回は、意外とおろそかにされがちだけど、超重要な「セット間のインターバル時間」について、まとめていきたいと思います。
筋トレしているけど、なかなか成果が出ない、
なかなか筋トレのボリュームを挙げられない
なんて人はもしかしたら、セット間のインターバル時間が1つの原因になっているかもしれません。
インターバル時間は、2分、できれば3分はとりたい
筋トレにおけるインターバル時間に関する研究はかなり多くやられています。
答えからいうと、タイトルの通り、セット間のインターバル時間は2分、できれば3分はとりたい
そして、もっと言うならば、高強度(MAX重量の90%程度)で、セットボリュームを増やして、トレーニング効果を上げたいのであれば、
セット間のインターバルは5分以上とってもいい
これが答えです。
もちろん、いろいろな方が使用するスポーツジムでは、混み具合等を考慮して、他に利用している方々に配慮した器具の使い方を心掛けましょう
幸いなことに、私の行っているジムはフリーウエイトの人気があまりなく、かつベンチプレス台等が複数台あるため、自由に使える時間が多くセット間のインターバルを5分程度とるようにしています。
ベンチプレスのメインセットは、おおよそMAX重量の80%程度(8Rep)で、5Rep×5セットを実施しています。これを、1分ないし、2分休憩で実施すると、基本的には3セット目には、せいぜい3Repが限界で、4セット目には1か2Repしかあがらなくなります。一方で、5分間きちんとインターバルを取ると、4セット目、特に5セット目はかなりきついですが、何とかこなすことができます。
また家でやっている荷重のディップスに関しては、5分どころか10分以上のインターバルを取ります。そうすると、MAX重量の75%(10Rep)で、まさに10Repをやりますが、3セット、4セットと、10Repをそのままこなせることが多いです。
まとめると
筋力、筋肥大を目指す筋トレにおいては、
セット間インターバルを、最低2分、できれば3分はとるようにしたい
特に、セットボリュームを重視=筋トレ効果を最大化したい場合には
5分以上とってもいい
では、私個人の経験だけでなく、いろいろな研究結果を見ながら、インターバル時間の効果について見ていきたいと思います。
インターバル時間は、筋肥大も加速する
インターバルの時間を長くとることによって、疲労していた筋肉は回復し、次のセットもより高い強度でトレーニングができます。このことによって、結果として、トータルで挙げた重量=セットボリュームが上がり、筋強度、筋肥大をより加速します。
このことがインターバル時間を長くする利点です。
ファクトデータを紹介します。
Longer Interset Rest Periods Enhance Muscle Strength and Hypertrophy in Resistance-Trained Men
意訳:筋トレ経験者において、セット間のインターバルを長くすることにより、筋強度と筋肥大が加速
The Journal of Strength & Conditioning Research: July 2016 – Volume 30 – Issue 7 – p 1805-1812
23人の18歳から35歳の筋トレ経験者をもとに、各種筋トレ種目を実施。検証は、1分のセット間インターバルを取るグループ(SHORT)、3分のセット間インターバルを取るグループ(LONG)に分かれて検証しています。プログラム期間は2か月です。
結果は、3分間のセット間インターバルを取るLONGグループが優位に、1分のSHORTグループより、筋力ならびに筋肥大の効果があるとなっています。
下に、筋強度の結果のみを論文から抜粋しています。
LONGトレ前 | LONGトレ後 | SHORTトレ前 | SHORTトレ後 | |
1RM ベンチプレス (kg) | 93.4 ± 18.1 | 105.2 ± 18.9 | 94.2 ± 29.5 | 98.1 ± 29.0 |
1RM スクワット (kg) | 118.2 ± 31.0 | 136.1 ± 32.5 | 119.4 ± 32.7 | 128.5 ± 31.5 |
この表から見てもわかるとおり、3分間のインターバル時間を取った組は優位に、筋力が向上していることがわかります。
これは、長いインターバル時間を取ることによって、2セット、3セット目のトレーニング強度が維持できたことによる効果が大きいと思います。ただ、基本同じトレーニングをした中で、インターバル時間を長くすることによって、筋力、ならびに筋肥大が加速される加速されるのであれば、やらない理由はありません
トレーニングの種類により、望ましいインターバル時間は異なる
これについては、筋トレを普段からしている人は、体感的に感じている人も多いのではないかと思います。
基本的には、
多関節駆動のトレーニングは、3分から5分以上あることが望ましい
単関節駆動のトレーニングは、2分程度で十分
ここでの多関節駆動は、例えば、ベンチプレス、ダンベルプレス、デッドリフト、スクワット、ラットプルダウン等々
単関節種目は、レッグカール、アームカール、マシーンチェストフライなんかの、サポートが入る種目もこちらに入るようです。
こちらも、関連する論文を紹介します。
Effect of Different Interset Rest Intervals on Performance of Single and Multijoint Exercises With Near-Maximal Loads
意訳:最大重量に近い領域での筋トレーニングにおいて、セット間インターバルの長さがパフォーマンスに与える影響
The Journal of Strength & Conditioning Research: March 2016 – Volume 30 – Issue 3 – p 710-716
こちらは、15人の1年以上の筋トレ経験者を対象に、1分から5分までのインターバル時間が、ベンチプレス(多関節種目)とマシーンチェストフライ(単関節種目)のRep数にどのように影響を与えるかについて検証しています。
被験者は、MAX重量の92.5%(最大3回挙上できる程度の重量)という、かなりの負荷でのトレーニングを実施しています。
下記に、セット間インターバル時間の違いが、多関節駆動のトレーニング種目であるベンチプレスの挙上回数に与える影響についてまとめたグラフを示します。
上の論文のTable1のデータをもとに作成。
表から、結果を見ると、セット間インターバルの効果は明らかです。特に1分のインターバル時間では、2セット目、3セット目と挙上回数の低下が明らかで、3セット目ではほとんどの人が1回程度しか上がらなくなっています。一方で、セット間インターバルを伸ばすとその分だけ、挙上回数の増加が見られています。
同様に、セット間インターバル時間の違いが、単関節駆動のトレーニング種目であるマシーンチェストフライの挙上回数に与える影響についてまとめたグラフを示します。
これも、さきほどの、ベンチプレスの結果と似ているように見えますが、大きく異なる点が1つあります。
セット間インタバール時間が1分の場合は、変わらず、セット毎の挙上回数の減少が顕著ですが、2分、3分、5分では、確かに挙上回数の増加が見られていますが、その差は大きくありません。著者も、マシーンチェストフライのような単関節種目においては、2分程度のセット間インターバルが望ましいと結論付けています。
冒頭の繰り返しになりますが、
特に筋力増大(MAX重量の90%程度での筋トレ)を狙う場合には、
セット間インターバル時間を
多関節駆動のトレーニングは、3分から5分以上とることが望ましい
単関節駆動のトレーニングは、2分程度で十分
補足:トレーニング初心者は、短いセット間インターバルでOK
すいません。これは、トレーニング初心者が、器具を長く占有すると迷惑だからという意味では全くありません。
トレーニング未経験者、トレーニング初心者においては、セット間インターバルの違いが、トレーニング効果に与える影響が少ないという意味です。これは、短いセット間インターバルで十分に効果が得られるということを示しています。
Chronic Effects of Different Between-Set Rest Durations on Muscle Strength in Nonresistance Trained Young Men
Journal of Strength and Conditioning Research: January 2010 – Volume 24 – Issue 1 – p 37-42
結果は詳細には、述べませんが、
セット間インターバルを長くとるグループ(LR)、短る取るグループ(SR)の2つに分かれ、最大挙上重量の8-12Rep(MAXの80%~70%)程度の重量でトレーニングを実施しています。
3か月間の検証の結果、LRとSRで有意な差は見られなかったという結果になっています。
トレーニング未経験者、トレーニング初心者においては、
セット間インターバルにこだわる必要はない。
むしろ、1分、2分程度のセット間インターバルで、短時間でいろんな種目を効率的に実施したほうがよい
と言えそうです。
トレーニング未経験者、トレーニング初心者の方々におきましては、正しいフォームで、無理をしないで、ケガをしないように、楽しく筋トレをすることが第一かと思います。